下書きメモブログ

小説作ってみました

パラレルワールドのお話

私が死んで生まれた日10-4【魂の記憶】

私は苛立っていた。 この星の為に星からの愛に答えるため、仲間達を守るため、貢献したい役に立ちたい。 なのにそんな私の熱意と情熱と意欲と希望はことごとく全否定された。 此処へ残って両親と共に戦えない。 移住先の星へ戦えぬ者達と向かい皆に寄り添え…

私が死んで生まれた日10-3【魂の記憶】

「星再生計画」の事について父はあれこれ考えを巡らしているらしく、しばらく黙っていた。母は他の人達と長の決定について話している。 考え込んでいる父の元に数人の男達が集まってきた。同時に私は男達に押しのけられ少しよろめいた。何やら深刻そうに話し…

私が死んで生まれた日10-2【魂の記憶】

長は『星を捨て破壊する』と決断した。 まだやれることがあるのではないかと反対する者も多かったが 戦えぬ者達を守りたいという長の固い決断にみな従うことにした。 星と対話が出来る長はながい間星とも話し合ったとみなに伝え「これは星の意志でもある」と…

私が死んで生まれた日11

気を失い湯船に沈みそうになった楓を抱き上げ浴室を出た男は、楓の悲鳴を聞いて駆けつけたユウジや美由紀、テツに取り囲まれていた。 男は全裸で全裸の楓を抱きかかえていたためみんな「何が起こってる??」と、一瞬キョトンとしたが、ユウジにはこの男に見…

私が死んで生まれた日 10-1 【魂の記憶】

飛ばして楓の物語をよむ→私が死んで生まれた日11へ楓の魂の過去の物語を読む ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ 【魂の記憶】 大地から針のように突き出た岩の塔、その先に腰を下ろし眼下に広がる地の表面を眺める。視界の左には乾いた大地が、真ん中には海のように大きな湖、右…

私が死んで生まれた日 9

視覚の線がプチッと切れたかの様に真っ暗で何も見えなくなり、今は浴室で一生懸命に湿気を室外へ吐き出そうと働いていた換気扇のモーター音も聞こえない。 孤独感がふと湧いてきたが、手にはまだオッサンの手の感触があり目には見えないがまるで今も握ってく…

私が死んで生まれた日8

浴槽にたっぷりと張られたお湯の中にゆっくり息を吐きながら頭のてっぺんまで浸かる。柔らかく暖かい液体の中は居心地が良かった。 死んだ時のことを思い出す。一瞬の出来事すぎて痛みはなかった。嫌な奴も浮気?(アッチが本命?)相手と病院送り、とりあえず…

私が死んで生まれた日7

テツさん(住職)と駐車場まで向かう途中、何となく視線を感じて思わず振り向いたが、私を見ている人物は一人もいなかった。参道を通っている時は身体がビリビリするし気持ち悪いなと思いながらみんなに遅れて駐車場に到着。勢いあまってテツさんにぶつかって…

私が死んで生まれた日6

私が『地蔵』の訓練を始めてから数日。 相変わらず元同僚は彼の部屋に来て腰振って帰るというのを繰り返していたが、訓練の甲斐もあり心穏やかに見流していた。 ある日......。 「ねぇ、あれから何も起きてないけど念の為にお祓い行こうよ。また忘れた頃に来…

私が死んで生まれた日5

色のない世界..... 小さな細胞が集まり蠢くざたざらした それでいて柔らかな深い深い海のような世界..... 産まれる前の母親のお腹の中ってこんななのかも........ 暖かくて心地がいい..... 漂っている.... ただひたすらふわふわと...... このままずっと漂っ…

私が死んで生まれた日4

(彼がLINEをしている相手は誰なんだ?) テンポよく流れていく吹き出しの名前はフルネームだった。そして 見覚えのある名前....。女だ....しかも私が大嫌いな女(怒) (なんて事を......プルプル) そう2年前、彼と付き合う頃に彼にちょっかいを出してきていた…

私が死んで生まれた日3

脳が揺さぶられる様な感覚と酷い目眩がした。 「気持ち悪い....」 込みあげる吐気を唾を飲み込んで抑えるとゆっくり目を開けた。 目の前には私に背を向けてベットの端に座りスマホの画面を見下ろしている恋人の姿があった。 ごめんね....。 急に愛おしさが溢…

私が死んで生まれた日2

何が起こったのか理解できず、しばらくつっ立ったままだったが、異様な状態の自分の死体と周りの人々の恐れおののく様子やその野次馬をなるべく死体から遠く離そうと慌ただしく動く駅前交番から駆けつけた警察官と警察官より少し前に駆けつけていた駅員を眺…

私が死んで生まれた日1

パラレルワールド(parallel world)とは、ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)を指す。並行世界、並行宇宙、並行時空ともいう。[ウィキペディアhttps://ja.m.wikipedia.org/wiki/パラレルワールド] 犬など動物は複数の並行…